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111日目 8月12日(水)の旅日記 2009.08.15

テーマ:建築 - ジャンル:旅行 Tag [旅日記]
※8月11日(火)の旅日記 以降の記事に画像を追加(8月16日)

走行距離114km
本日の行程はこちら

05時起床。
曇り時々晴れ。
夕刻より雨。
20時ごろより本降りに。
めんどくさがらずにタープを張っておくんだったと、これを書いている今は後悔しきり。




今日は撤収作業をせずに、弘前市街を見てまわるつもりだったので、ゆっくりと朝食を取る。
見学しようと思っている場所が09時開館なので、それに合わせて08時20分行動開始。
まずは、テントを設営した桜林公園から程近いところにある、岩木山神社に参拝。
津軽国一宮で、奥の日光という別名が示すとおり荘厳な雰囲気だった。
楼門から拝殿を望む。
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こんなところにも狛犬が。
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社務所なのだろうか、むしろ陣屋のような造りに見える。
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弘前市の中心を目指す。
弘前市には、東奥義塾や弘前大学があって古くから外国人教師が住んでいたという経緯からか、明治大正期の洋館が多数残っている。
また西洋館にあこがれ、独学で西洋建築を学んだ名匠、堀江佐吉を輩出した土地でもある。
現在弘前市では、洋館は観光の目玉の一つとして取り上げられて、観光協会が洋館案内のパンフレットを配布しているほど。

まずはじめに藤田記念庭園を見学。
この庭園は弘前出身の実業家、藤田謙一の別邸であり、現在は弘前市の管理下にあって一般に見学することができる。
洋館は大正10年(1921)の建築で、堀江佐吉の息子が設計したもの。
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今まで明治期の建築を見ることが多かったせいか、それらと較べてみると、ずいぶん近代的、というか垢抜けた印象を受ける。
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屋根に使われている赤が外観上のアクセントになっていて、可愛らしい。
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建物の南側にはサンルームが設けられていて、現在では喫茶室となっている。
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サンルームの天井照明は、少し変わったデザインだった。
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ちょっと休憩してレモンティーを。
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庭園内には和館もあるが、こちらは火災のため戦後再建されたもの。
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庭園から洋館と和館を眺める。
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庭園は低地部と高地部に分かれていて、非常に大規模。
一周してくるだけでかなり時間がかかる。
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藤田記念庭園の次は、歩いて数分の距離にある、旧弘前市立図書館を見学。
こちらも赤い屋根が可愛らしい瀟洒な建物
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堀江佐吉が日露戦争の戦勝記念として設計、弘前市に寄付したもので、明治39年(1906)完成。
昭和6年(1931)年まで市立図書館として使用されていた。
正面から見ると二本の塔が立っているように見えるが、向かって左側の塔が階段室、右側の塔が婦人閲覧室と評議室となっている。
時代を考えれば当然なのだが、外見のインパクトとは裏腹に、図書館としては非常に小規模かつ非効率な建築。
収容できる蔵書数で言えば、おそらく現代の学校図書室レベルだろう。
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旧弘前市立図書館の裏手に隣接しているのが旧東奥義塾大学外人教師館。
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明治33年(1900)完成の建築。
とりわけ豪奢というほどではないものの、子ども部屋があったりして、くつろいだ雰囲気の建物だった。
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廊下には、子どものために梁からぶらんこが。
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続いて、旧第59銀行本店へ。
明治37年(1904)完成の建物で、棟梁は堀江佐吉。
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一見洋風の石造りに見えるが、実は「張り瓦」という工法で作られているらしい。
これは木材を骨格として、その上に素焼きの瓦を敷き詰め、その上から漆喰を塗り重ねるという工法で、構造としては日本の土蔵に近い。
火災に強く、銀行建築には適した造りとのこと。
弘前藩御用大工の家系に生まれ、試行錯誤を繰り返しながら、独学で西洋建築を学んだ、堀江佐吉らしい建築といえよう。

窓ガラスと格子の間に、引き戸の取手が見える。
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これは土と漆喰で固められた戸で、やはり土蔵を参考にしたもの。
防火・防犯に効果を発揮する。

天井に貼られている壁紙は、金唐革紙という、和紙にスズ箔と漆を使い手作業で仕上げたもの。
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この建物と、小樽で見てきた旧日本郵船小樽支店にしか現存しておらず、非常に貴重なものなのだそうだ。

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ちょっと趣向を変えて、禅林街にあるさざえ堂を見学。
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内部が公開されていないのは残念だが、会津のさざえ堂とは異なり、螺旋構造ではないらしい。

弘前学院外人宣教師館へ。
明治39年(1906)完成というから、先の旧市立図書館と同時期の建築ということになる。
屋根を赤く塗るのが弘前のトレンドだろうか、やはり童話に登場しそうなファンシーな印象。
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内部は申し込みをすれば、見学できるとのことだったが、この段階ですでに相当疲れていたので、外観だけにしておいた。

車で20分ほど東へ向かい、盛美園を見学。
9年の歳月を掛けて明治44年に完成した庭園で、武学流知泉枯山水廻遊式という様式らしい。
その名の通り、手前は枯山水なのに、奥には実際の池を配した廻遊式という、ちょっと変わったつくりの庭。
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まあ小生の目当ては庭よりも、その庭を鑑賞するために作られた館にして、本日の目玉建築、盛美館のほう。
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設計は堀江佐吉の門下、西谷市助によるもの。

一目見れば違いが分かる、素晴らしくも怪しい建築だ。
一階部分は純和風の建築なのだが、二階部分に洋館が乗っかっているという構造で、特に角に作られた、塔状の望楼が目立つ。
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この望楼の部分は、一階の軒の上に乗っていて、構造上どうやって支えられているのか不思議。
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一階の内部は普通の和室になっている。
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蜘蛛の巣状にデザインされた障子が格好よい。
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畳の上にいきなり現れる、洋風の階段。
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二階は立ち入り禁止で見学できなかったが、展示されていた写真によると、畳にシャンデリア、漆喰の壁に床の間というように、先の旧第59銀行本店とはまた違うレベルでの和洋混交の造りらしい。
ぜひこの目で見てみたかったのだが、残念。

庭園から盛美館を望む。
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こうして眺めてみると、和風庭園に洋館という組み合わせも悪くないと思えてくる。

一日の仕上げに、酸ヶ湯温泉で汗を流していくことにした。
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入ったのは、混浴で湯治場の雰囲気を色濃く残す千人風呂。
確かに相当広い風呂ではあるのだが、それを上回るほどの人出(男)で窮屈だった。
夏休み期間だからだろうか。
泉質は酸ヶ湯という名の示すとおり酸性の硫黄泉で、うっかり目に入らないよう気を遣った。
北海道の川湯温泉の二の轍は踏まないようにしなければ。

18時までには桜林公園に戻れるという腹積もりだったのだが、弘前市街で渋滞に捕まって、結局19時すぎに。
さすがに今日は疲労困憊して食事を作る気力がなかったので、途中で買ってきた弁当を夕食にした。

明日は秋田県、八郎潟付近まで走る予定。

最近の読書。
安部公房「箱男」読了。
はじめは、帰属を捨て去った周辺者の視線で、社会の矛盾を指摘する、といったような社会派の小説かと思っていたのだが、実際は個人の意識のありように主眼をおいているようだ。
覗見嗜好がひとつのモチーフになっているため、その視線の描写が兎に角生々しく、よくこんな文章が書けるものだと感心してしまった。
箱の内側から見つめられる看護婦の裸体は、人間というよりも、ベルメールの人形のように、ひとつのエロティックなオブジェに変貌してしまっている。


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